自己注射の方法 ~正しく安全に行うために

リスティーゴ®について

自己注射の方法

STEP:1注射の前に

投与量について

1回の注射で投与する薬液量は体重により異なります。
必要なバイアルの本数は下記の表の通りですが、体重に変動があった場合は、患者さんご自身の判断で投与量を変更せず、主治医に相談してください。

体重投与量使用する
バイアルの本数
50kg未満280mg/2ml1本
50kg以上
70kg未満
420mg/3ml2本
70kg以上
100kg未満
560mg/4ml2本
100kg以上840mg/6ml3本

投与スケジュール

リスティーゴ®は6週間を1サイクルとして、週に1回皮下注射するお薬です。

基本的な6週間を1サイクルの場合

次のサイクルを開始するかどうかや、開始する時期については、患者さんの体の状態や症状などによって主治医が判断します。
予定されていた日にリスティーゴ®の投与を行えない場合、注射のタイミングは主治医に相談してください。

自己注射に必要なもの

インジェクションセット(投与セット)

保管方法

リスティーゴ®は外箱ごと、冷蔵庫(2~8℃)に入れてください。

  • 一度室温に戻したリスティーゴ®は、再冷蔵できません。
  • 持ち運ぶ際には、保冷バッグを使用してください。
  • 保管方法を逸脱したお薬は使用できません。
  • 保管の不備を理由に新しいお薬を処方してもらう場合、診察料および薬剤料は保険適用外となりますので、ご注意ください。

STEP:2薬剤の調製

1バイアルを室温に戻す

リスティーゴ®の体重ごとの用量を確認し、必要な本数のバイアルを冷蔵庫から出して30分以上室温に置きます。
体重ごとの用量はこちら

薬液が冷たいと痛みを感じやすくなります。
この際、使用するバイアルのみを取り出し、残りは外箱ごと冷蔵庫に戻してください。

Point

  • 電子レンジ、直射日光、湯煎などで温めないでください。

2必要なものを準備する

注射のためのスペース※1を確保し、必要なものを準備します。
リスティーゴ®自己注射準備シート※2をご使用ください。

必要なものの例
  • リスティーゴ®のバイアル
  • インジェクションセット
  • 翼状針を固定するテープ
  • 充電したシリンジポンプ(シリンジポンプで投与する場合)

Point

  • ご家族の方(特にお子さんやペットなど)が誤って触れないようにご注意ください。

看護師からのアドバイス

※1明るく安定した場所(テーブルなど)を確保します。
注射の前に、必要なスペースを除菌シート等で拭いて、清潔にしましょう。

3用意したものに異常がないかを確認する

バイアル(薬液)が以下に該当する場合は使用できません。
  • バイアルにひび割れ、液漏れ、破損がある
  • バイアルの保護キャップがない、または壊れている
  • 使用期限が切れている
  • 使用済みのバイアルである
  • バイアルが正しく保管されていなかった(保管の際に温度の条件が守られていなかった、直射日光に当たっていた、凍結しているなど)
  • 処方された用量と異なる
  • 薬液に異物が混ざっている/色に異常がある

Point

  • 薬液の色が違う、浮遊物がある場合は使用しないでください。
  • 薬液の色は無色から淡い黄色または淡い褐色で、澄明または微濁の状態が正常です。

バイアル(薬液)以外のものについても異常がないか確認し、異常が認められる場合は使用しないでください。

4手を洗う

手を石鹸と水でよく洗い、清潔なタオルやペーパーなどで拭いてください。

5翼状針の袋を開ける

バイアル操作を行う前に、チューブ付き翼状針の袋を開けます。
中身は取り出さず、袋の中に入れたままにしておき、使用時にすぐに取り出せるよう準備をしておきます。
チューブ付き翼状針は、チューブの長さが29cmと60cmの2種類あります。

  • 手押し(マニュアルプッシュ)で投与する患者さん:29cmを使用
  • シリンジポンプを使用して投与する患者さん:基本は60cmを使用

主治医から特別に指示があった場合のみ29cmを使用

6バイアルの保護キャップを外し、消毒する

バイアルの保護キャップを外し、1枚目のアルコール綿でバイアルのゴム栓を消毒後、乾くまで待ってください。
ゴム栓部分には触れないでください。

7ツートック®(採液針)をバイアルに取りつける

ツートック®(採液針)の包装を開け、透明のカバーごとツートック®(採液針)を持ちます。バイアル接続部の内側の針を、バイアルのゴム栓部分に刺し込みます。この際、安定した台の上で、バイアルの栓の上にツートック®(採液針)を置き、上からまっすぐに押し込んでください。

Point

  • バイアルを2本以上使用する患者さんは、あらかじめ必要本数にツートック®(採液針)を取りつけ、2本目以降はカバーを外さずに置いておきます。

8ツートック®(採液針)にシリンジを取りつける

バイアルを取りつけたツートック®(採液針)のカバーを外し、シリンジ接続口にシリンジをセットし、時計回りに回転させながらシリンジを取りつけます。

Point

  • ツートック®(採液針)について

    ツートック®(採液針)のバイアル接続部、シリンジ接続口およびフィルターには触れないでください。

看護師からのアドバイス

ツートック®(採液針)は必ずバイアルに対してまっすぐに刺します。斜めに刺すと、ゴム片が薬液の中に入ってしまう場合があります。ゴム片が薬液内に入ってしまった場合、そのバイアルは使用してはいけません。

9シリンジに薬液を抜き取る

バイアルを逆さにし、プランジャーをゆっくり引いてバイアルの中の薬液を抜き取ります。泡立ちやすいので、薬液を抜き取るときは、プランジャーをゆっくりと引いてください。大きな気泡がシリンジに入った場合、シリンジを軽く叩いてできるだけ泡を上に移動させ、プランジャーをゆっくりと押して気泡をシリンジから押し出してください。

Point

  • バイアル内の薬液は必ず全量抜き取ってください。

10シリンジをツートック®(採液針)から外す

シリンジを左回りに回転させて、ツートック®(採液針)からシリンジを取り外します。
使用するバイアルが1本の患者さんはこれで注射の準備は完了です。

11バイアルを2本以上使用する患者さんは、注射の準備8~10を繰り返す

バイアルを2本以上使用する患者さんは、2本目以降のバイアルの薬液もシリンジ内に抜き取ります。

STEP:3注射の手順

リスティーゴ®の投与方法は以下の2種類があります。
①手押し(マニュアルプッシュ)で投与する方法
②シリンジポンプを使用して投与する方法
必ず医療機関で指示された方法で投与を行ってください。

①手押し(マニュアルプッシュ)で投与する方法

1チューブ付き翼状針(29cm)を、リスティーゴ®調製済みのシリンジに取りつける

あらかじめ開封済みのチューブ付き翼状針(29cm)をリスティーゴ®調製済みのシリンジに取りつけます。
投与チューブのキャップを外し、チューブを時計回りに回転させながら、シリンジにセットします。

Point

  • 投与チューブとシリンジの接続部に触れてはいけません。

2プランジャーを押し、針先まで薬液で満たし、投与量に合わせる

シリンジを上に向けて、プランジャーをゆっくりと押し、空気を抜いて針先までお薬を満たします。
シリンジの目盛りを体重ごとの投与量に合わせてください。

体重投与量
50kg未満2ml
50kg以上70kg未満3ml
70kg以上100kg未満4ml
100kg以上6ml

看護師からのアドバイス

翼状針のキャップはつけたまま、作業を行ってください。チューブの空気は抜く必要がありますが、小さな気泡は残っていても問題ありません。

3投与部位を決める

投与部位はへそより下の左右下腹部から選びます。

投与してはいけない部位
  • へそ周り5cm以内
  • 皮膚に異常がある部位(皮膚の異常の例:押すと痛い、赤い、あざがある、かたくなっている、きずあとがある)

看護師からのアドバイス

注射部位を事前に保冷剤などで冷やしておくと痛みを感じにくくなります。
冷やした後にアルコール綿で消毒を行ってください。

4投与部位の消毒

アルコール綿を使用して、注射部位を広めに拭き、乾くまで10秒以上待ってください。消毒した注射部位には触らないでください。

看護師からのアドバイス

中心から円を描くように広く拭きます。また、一度消毒した部位には触らないことで投与部位の清潔を保てます。

5投与部位の皮膚をつまみ、皮下組織に翼状針を刺す

翼状針のキャップを外します。翼状針を持っていない方の手で、消毒した部位をしっかりつまみます。つまんだ皮膚に対して約60°の角度で針を刺します。針が完全に入ったらつまんだ皮膚を離します。

看護師からのアドバイス

針を刺す際、深呼吸をし、息を吐いているときに針を刺すと、痛みを感じにくくなると言われています。

Point

  • 翼状針の持ち方

    翼状針はざらざらしている側が外側になるように翼を折りたたみ、親指と人差し指でつまみます。この持ち方で、針先が上になります。針を刺す際は針先を上にしてください。

6翼状針を固定する

固定テープを用いて翼状針を固定します。

Point

  • 翼状針の固定の仕方

7プランジャーを押し込む

翼状針のチューブにねじれがないことを確認します。ねじれている場合はプランジャーを押す前にねじれを直してください。
プランジャーをゆっくりと押して薬液を全量投与します。

Point

  • プランジャーを押す際に違和感がある場合は投与を中止し、その後の投与については主治医に連絡してください。

8絆創膏を貼る準備をし、固定テープを外し、針を抜く

シリンジをテーブルに置き、絆創膏を貼る準備をします。利き手にシリンジを持ち、固定テープを外し、針を抜きます。

Point

  • 針を抜いた後、針先に触れないよう十分に注意してください。

9注射部位に絆創膏を貼り、翼状針とシリンジを回収ボックスに入れる

針先に触れないよう十分注意しながら、注射部位に絆創膏を貼ります。翼状針、シリンジの順で回収ボックスに入れます。

看護師からのアドバイス

注射部位の腫れが引かない、出血が止まらないなどの異常が認められた場合は主治医に連絡してください。
注射後、注射部位をこすったり、もんだりしないでください。

②シリンジポンプを使用して投与する方法

1チューブ付き翼状針を、リスティーゴ®調製済みのシリンジに取りつける

あらかじめ開封済みのチューブ付き翼状針(60cm)をリスティーゴ®調製済みのシリンジに取りつけます。

主治医から特別に指示があった場合のみ29cmを使用します。

投与チューブのキャップを外し、チューブを時計回りに回転させながら、シリンジにセットします。

Point

  • 投与チューブとシリンジの接続部に触れてはいけません。
  • シリンジポンプにセットする前にチューブを薬液で満たさないでください。

2シリンジポンプの設定を行う

シリンジポンプの設定は、シリンジポンプの種類により異なる可能性があります。
医療機関に指示された方法で実施してください。

  1. 明るく安定した清潔な場所に充電したシリンジポンプを用意します。
  2. シリンジポンプの電源を入れます。
  3. チューブ付き翼状針を取りつけたシリンジをセットします。
  4. 流量(投与速度)を設定します。20ml/h以下の速度で投与します。
  5. シリンジポンプの早送り機能を使用して、針先まで薬液で満たしながらシリンジ内の薬液を投与量に合わせます。
体重投与量投与時間
(目安)
50kg未満2ml6分〜
50kg以上
70kg未満
3ml9分〜
70kg以上
100kg未満
4ml12分〜
100kg以上6ml18分〜

3投与部位を決める

投与部位はへそより下の左右下腹部から選びます。

投与してはいけない部位
  • へそ周り5cm以内
  • 皮膚に異常がある部位(皮膚の異常の例:押すと痛い、赤い、あざがある、かたくなっている、きずあとがある)

看護師からのアドバイス

注射部位を事前に保冷剤などで冷やしておくと痛みを感じにくくなります。
冷やした後にアルコール綿で消毒を行ってください。

4投与部位の消毒

アルコール綿を使用して、注射部位を広めに拭き、乾くまで10秒以上待ってください。消毒した注射部位には触らないでください。

看護師からのアドバイス

中心から円を描くように広く拭きます。また、一度消毒した部位には触らないことで投与部位の清潔を保てます。

5投与部位の皮膚をつまみ、皮下組織に翼状針を刺す

翼状針のキャップを外します。翼状針を持っていない方の手で、消毒した部位をしっかりつまみます。つまんだ皮膚に対して約60°の角度で針を刺します。針が完全に入ったらつまんだ皮膚を離します。

看護師からのアドバイス

針を刺す際、深呼吸をし、息を吐いているときに針を刺すと、痛みを感じにくくなると言われています。

Point

  • 翼状針の持ち方

    翼状針はざらざらしている側が外側になるように翼を折りたたみ、親指と人差し指でつまみます。この持ち方で、針先が上になります。針を刺す際は針先を上にしてください。

6翼状針を固定する

固定テープを用いて翼状針を固定します。

Point

  • 翼状針の固定の仕方

7シリンジポンプで投与を開始する

開始スイッチを押して、投与を開始します。

8薬液を全量投与し終えたらシリンジポンプを止める

残液が少なくなると、シリンジポンプのランプが橙色に点灯し、警報音が鳴ります。消音ボタンを押して投与を継続してください。薬液が完全になくなると、シリンジポンプのランプが赤色に点滅し、警報音が鳴ります。消音スイッチを押し、警報音を止めてからシリンジポンプの停止ボタンを押してください。

9シリンジポンプからシリンジを外し、絆創膏を貼る準備をする

シリンジポンプからシリンジを外し、シリンジをテーブルに置きます。絆創膏を貼る準備をします。

10固定テープを外し、針を抜く

利き手にシリンジを持ち、固定テープを外し、針を抜きます。

11注射部位に絆創膏を貼り、翼状針とシリンジを回収ボックスに入れる

針先に触れないよう十分注意しながら、注射部位に絆創膏を貼ります。
翼状針、シリンジの順で回収ボックスに入れます。

看護師からのアドバイス

注射部位の腫れが引かない、出血が止まらないなどの異常が認められた場合は主治医に連絡してください。
注射後、注射部位をこすったり、もんだりしないでください。

STEP:4注射の後に

片付け

回収ボックスに入れるもの
  • 使用後のバイアル、ツートック®(採液針)、シリンジ、チューブ付き翼状針はすべて回収ボックスに入れてください。
  • 未使用のチューブ付き翼状針、ツートック®(採液針)も回収ボックスに入れてください。
  • 回収ボックスは、リスティーゴ®投与1サイクル(6回)終了後、医療機関・薬局にお持ちください。
指示がない限り家庭ごみとして捨てるもの
  • 使用済みのアルコール綿、絆創膏、投与チューブのキャップ、翼状針のキャップ、バイアルの保護キャップは、医療機関・薬局から指示がない限り、家庭ごみとして各市区町村の収集方法にしたがって捨ててください。
シリンジポンプ
  • きれいに拭いてから自宅で保管してください。
  • 次回の投与の前に、シリンジポンプを充電してください。

日々の記録

注射が終わったら、「つながるノート」や「ONWARDにつながるアプリ」に体調の変化や注射についての記録をしましょう。日々の記録により、体調の変化や症状の改善の程度を把握しやすくなります。

  • 「つながるノート」についてはこちらをご参照ください。
  • 「ONWARDにつながるアプリ」についてはこちらをご参照ください。

Movie

「自己注射をはじめるために」

注射の方法や一連の流れなどを、わかりやすく動画でご紹介します。

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