乾癬(かんせん)の原因とは | 乾癬とは【明日の乾癬 by UCBCares】

乾癬とは

【医師監修】
乾癬の原因とは?

Psoriasis

監修:今福 信一 先生

(福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授)

乾癬を発症する原因には、体内の炎症を生じやすい性質(免疫機能)が深く関わっています。
さらにストレスや怪我、肥満などの環境因子が加わることで発症・悪化を招いてしまうのではないかと考えられています。
ここでは専門医監修のもと、乾癬の原因やメカニズムについて詳しく解説します。

乾癬の原因

免疫の異常

ヒトの体は常に、細菌やウイルスと戦っています。細菌やウイルスが体内に侵入すると、それを異物と判断して「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質が分泌されます。その炎症性サイトカインが、異物が侵入している場所に炎症を起こし、その結果、異物が排除されます。これが「免疫システム」です。ですから、炎症が起きて痛みや腫れが表れている状態は、免疫システムが細菌などの異物と戦っている証とも言えます。

ところが、この「免疫システム」が必要以上に働いてしまうことがあります。このような疾患では過剰な炎症が起こりやすく、自分の正常な組織や細胞の性質を変化させてしまいます。乾癬もこのように慢性に炎症を生じやすい疾患で、主に皮膚や関節の組織に炎症が起こります。
なぜ、免疫システムの異常が起きてしまうのか、その理由はいまだ十分明らかになっていません。

なお、炎症性サイトカインには、いくつかのタイプがあります。
例えば、TNF-α(腫瘍壊死因子-α)、IL-17(インターロイキン-17)、IL-23(インターロイキン-23)などです。

TNF-α ティー・エヌ・エフ・アルファ
IL-17 インターロイキン-17
IL-23 インターロイキン-23

乾癬発症のメカニズム

乾癬の患者さんの体の中では、複数の炎症性サイトカインが過剰に作り出されており、その結果、不必要な炎症が発生してしまいます。このような状態に、さらに肥満や喫煙などの環境因子が加わると炎症はより強まり、その影響が全身のさまざまな部位にさまざまな症状となって表れます。
火山に例えるとわかりやすいかもしれません。活火山は年中、噴火しているわけではありませんが、いつも山体にマグマだまりを抱えていて、そのマグマだまりの圧力が高まった時に火口からマグマを噴出します。体内に炎症という火種があり、それがコントロールできているときは症状はみられませんが、何らかの刺激でそれがコントロールができなくなると、皮膚や関節に症状が現れます。皮膚の炎症が強まった部分は、皮膚の細胞の入れ替わり(新陳代謝)が早くなり、それが乾癬の代表的な症状である発疹になります。

細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、排除するために免疫システムが活発化

免疫システムが活発になると、炎症が起こり、熱や痛みなどの症状が現れる

乾癬は免疫システムが過剰に反応。炎症を引き起こし、皮膚細胞が異常に増殖する

乾癬を悪化させる環境因子が加わると、炎症がさらに活発化。乾癬の症状(皮膚や関節など)の悪化を招く

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