同じ病気で悩む誰かの力になりたいと思っています。| わたしの乾癬物語【明日の乾癬 by UCBCares】

みんなの乾癬物語

明るく前向きに過ごしながら
同じ病気で悩む誰かの力に
なりたいと思っています。

お話を聞いた
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CHAPTER 11

伊藤 妙子
さん

軽かった皮膚症状が一気に悪化したのに、診断名もつかず、症状も改善しない――。
そんな不安な時期を経て、ようやく下された診断名は、聞いたこともない「乾癬」でした。
聞き慣れない病名やゴールの見えない治療に対する不安を、どう乗り越えたのか、今どんな思いなのかを語っていただきました。

始まりは両足のすねにできた小さな発疹
乾癬と診断がついたのは1年後だった

症状が現れた時の様子を教えてください。

今から13 年前の12 月、入浴中に両足のすねに小さな発疹を見つけたのが始まりでした。このときは痒みもなければ、発疹が広がることもなく、市販の薬を塗ればすぐに治るだろうと安易に考えていました。しばらくして近くの皮膚科クリニックを受診したところ、「湿疹」という診断で軟膏を処方されましたが、一向に改善しませんでした。
そこで別のクリニックにも行ってみたのですが、2ヵ所目・3ヵ所目のクリニックでも湿疹と診断され、似たような軟膏を処方されただけ。そのうち薬も塗らなくなってしまい、完全に放置して過ごしてしまいました。
一気に症状が悪化したのは、翌年の夏頃です。認知症の父の介護をしていたのですが、まず母、次いで主人が入院したため、精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまっていました。もしかしたら、それがきっかけだったのかもしれません。――どんな症状だったのですか。
両足のすねだけでなく、頭皮全体、また、お尻にも皮疹や紅斑が広がりました。とにかく痒くて、痒くて、つらかった。髪の毛をブラシでとかすと、鱗屑りんせつがパラパラと落ちてきました。さすがに「これは尋常ではない」と思い、病院を受診しましたが、やはり最初のうちは、なかなか診断がつきませんでした。秋頃になって皮膚生検をした結果、やっと「乾癬」と診断されました。
一度も聞いたことのない病名でした。しかも一生つきあっていく病気だと言われ、衝撃を受けました。この先どんなふうになっていくのか、どんな治療をすればいいのか、とにかく不安はつのるばかりでした。初めて発疹が出てから診断がつくまでに、すでに1 年近く経っていましたが、当時、安易に考えて放置してしまったことを反省したものです。

なかなか改善しない症状のつらさ
治したい一心から治験を受けることに

診断がついてからは、どのような治療をされてきたのでしょうか。

しばらくの間は、ステロイド軟膏や痒み止め(抗ヒスタミン薬)を使っていましたが、なかなか症状が改善しないので免疫抑制剤を使うことになりました。それでも改善しない上、肝機能が低下してきたため、専門的な治療を受けたほうがよいからと大学病院を紹介されました。乾癬の治療を開始して、すでに1 年ほど経っていました。
症状を診てくれた主治医は、治験を勧めてくれたのですが、当時の私は、なんとなく治験への抵抗感があり、お断りしてしまいました。代わりにスタートしたのが光線療法です。大変だったのは、照射時間は数分とはいえ、1 週間、1日おきに通院すること。仕事をしていたので、お昼休みを利用して通院していたのですが、両立は困難で、結局、2ヵ月で主治医に「とても続けられない」と伝えざるを得ませんでした。
主治医からは、再び治験を勧められました。その治験はけっこう良い成果が出ているとのことだったので、とにかく治りたい一心で受けることにしました。

治験の成果はどうでしたか。

初めて注射を打ったその日から、成果が出ました。真っ赤だった両足の皮疹がピンク色に変わり、それだけでも「これは魔法の薬なんじゃないか」と思ったほどです。そして2 週間後に注射した後、皮疹はほぼなくなり、寛解の状態になりました。見た目の変化は明らかでしたし、痒みもなくなり、「いったい今までの治療の苦労は何だったのだろう」と驚いたことを覚えています。その後は1 ヵ月に1 回の注射をして症状もなく、平和な時間を過ごすことができました。

「治療の効果が感じられない」時期も経験して
冷静に現状を捉えられるようになった

治療を変えても思ったように成果が出ないと、精神的につらいのではないでしょうか。

乾癬と診断がつく前は、自分自身が病気を理解していないこともあり、症状に対して適当でしたし、さほど心配もしていませんでした。
最も不安が大きくなったのは、診断がついて乾癬に対する治療を始めてから治験にたどりつくまでの間です。なかなか
状が改善しない状態が続く中で、泣いたり落ち込んだり、症状の変化に一喜一憂したり。鱗屑がフケのように落下しているのを職場の人に見つからないように、こっそりデスクまわりを掃除するのもストレスでした。
また、治験の成果を感じられなくなった頃は、どうしたらいいのか迷いました。ただ、それまでに良いときも悪いときも含め、いろいろな経験をしてきたせいか、駄目だったらまた次の薬に変えればいいのではないか、と思うことができました。焦らずに落ち着いて自分の状況を考えることができるようになっていたという感じです。

治験中止後に選択した治療は、どうでしたか?

治験を中止した後、生物学的製剤と軟膏、保湿剤の治療に変えてもらいました。すると、それらの相乗効果もあり、皮疹の赤みや痒みが取れ、3ヵ月後には寛解状態になりました。当初、生物学的製剤の注射は8週に1回でしたが、今は10週に1回になりました。
両足のすねに若干の皮疹は残っていますけれど、以前よりも症状のコントロールはちゃんとできていると思います。

乾癬が悪化しないよう、生活の中で工夫していることは?

乾癬は、生まれ持った体質、精神的ストレス、肥満、不規則な食生活などが原因だといわれています。私は散歩が好きなので、ストレス解消のためにも家から職場までは歩くようにしています。片道1.7 キロメートル、20 分ほどの道のりなので、もっと歩けるときは往復したり、道順を変えて長く散歩して景色を楽しんだりしています。また、乾癬の場合、特に食べてはいけないものはないといわれていますが、高カロリーのものは控えるなど、食事にも注意しています。
それでも、「もしかしたら、また悪くなるかもしれない」という心配が頭をよぎることもあります。ですが、もともと物事を深く考え込まないタイプなので、「その時はその時だ!」と思っています。

患者会の活動には、これまでの自分の体験が誰かの役に立つ喜びがある

患者会で活躍されていますが、
そうなった経緯を教えてください。

患者会の存在を知ったのは、乾癬と診断された頃です。その頃は「患者さんが集まる閉鎖的な会なのではないか」と勝手なイメージを持っていたので、会に参加する勇気もありませんでした。
運が良かったと思うのは、治験を受けた頃、患者会の役員をされている方と出会い、名刺をいただいたことです。これがきっかけとなり2013 年に入会しました。

初参加は患者会の親睦会。緊張して会場に入ったのですが、みんな明るい方ばかりで、すぐに打ち解けて「いつから症状が出ているのか」「どんな治療をしているのか」など、いろいろな話をすることができました。
乾癬の悩みを抱えているのは自分だけじゃない。そのことがわかっただけで、自分の気持ちがどんどん楽になっていくのがわかりました。そして、皆さんのさまざまな体験談を伺っていると、自分の悩みを解決するヒントが見つかることに気づきました。
私が明るく前向きに過ごすことができているのは、患者会の皆さんからいただいた知識や知恵のおかげです。「今の私があるのは患者会のおかげ」と思っているうちに、いつからか会報誌の発送作業をお手伝いするなど、すっかり巻き込まれてしまいました(笑)。これからも患者会の力になりたいと思っています。
私がそうだったように、私の話によって誰かが自分の悩みを解決するヒントを見つけてくれたらいいなぁと、思います。

患者会に対して『敷居が高い』と感じている方々に伝えたいことはありますか?

乾癬は目につきやすい皮膚疾患だけに、人付き合いや外出そのものがストレスにつながることもあります。悩みや不安が深くても、誰にも相談できず困っている人もいると思います。患者会に入っていると、たとえば患者会主催の相談医の先生の講演から新しい治療の情報を得られたり、同じ病気で悩む人の体験談から治療の実情や日常の工夫など有益な情報を得られたりします。それが一筋の光につながることもあると思います。
すぐに入会しなくてもいいですし、一人ではなくご家族と一緒の参加でもいいので、学習会なり親睦会なり思い切って参加して欲しいと思います。
また、乾癬は、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気なので、治療に疲れてしまった人もいると思います。でも、薬剤は進化しているので、自分の生活のリズムに合った治療法を見つけて欲しいですし、完全には治らないかもしれないけれど、ある程度は症状のコントロールができるようになってきているので、どうかあきらめないで治療を続けていって欲しいと思います。

本記事の治療結果は個人の体験であり、
全ての人に当てはまるものではありません。

「Rebrand Yourself 2023 Vol.1」2023年 2月掲載

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