群馬乾癬友の会(からっ風の会)| 支援制度とサポート 【明日の乾癬 by UCBCares】

ようこそ! 患者会

群馬乾癬友の会
(からっ風の会)

Support

現在、日本全国に24の乾癬患者会があり(2023年2月現在)、それぞれ独自に、
乾癬に対する正しい知識、患者同士の交流・情報交換、専門医を講師とする勉強会、会報やSNSによる情報発信などを行っています。
今回は、その1つである「群馬乾癬友の会(からっ風の会)」の代表を務める角田洋子さんにお話をお伺いしました。

患者同士が話し合える喜びを地元で実現するため設立

群馬に患者会「群馬乾癬友の会(からっ風の会)」が発足したのは2007年4 月です。きっかけは、2004 年に開催された群馬大学医学部附属病院皮膚科の乾癬治療班による「群馬乾癬患者勉強会」に現在、会長を務める角田洋子さんが参加したことでした。当時、群馬大学とは別の病院で治療していた角田さんは、主治医から勧められて、この勉強会に参加しました。
「十数年もこの病気の治療をしてきたのに、乾癬ってこんな病気だったのか、こんなにたくさんの治療法があるのかと衝撃を受けました。そして、この病気について、もっと知りたいという思いが強くなりました」。
翌年の勉強会にも参加し、角田さんはごく自然な流れで患者会の活動に引き込まれていきました。そして他県での学習会に参加した時に隣の席に座った人から、講演後の懇親会に誘われます。「そこで治療や生活に関する悩みなどを話し合いました。患者さんと直接話したのは生まれて初めてで、とても感動しました」。
その感動が忘れられなくなり、群馬大学附属病院の乾癬外来に通院することにした角田さん。「勉強会の後に懇親会がしたい」と主治医に直訴したところ、患者主体でなければ開催できないことを知りました。
「相談医に促されて、勇気を出して勉強会の後に“皆でお話ししませんか”と声をかけました。あんなに緊張したのは生まれて初めてかもしれません」
この時に出会った患者さん数名と意気投合して、患者会の設立準備委員会を立ち上げ、2007 年4 月28 日に、群馬大学医学部附属病院の安部正敏教授(当時)、県内の皮膚科医の先生、東京や北海道の患者会の役員の協力を得て設立総会を開催。ここに全国で10 番目の患者会が誕生しました。

リモートの学習会でも参加者同士が
交流できるように工夫する

群馬乾癬友の会には、「からっ風の会」という愛称がつけられました。 赤城山を越えて関東平野に吹き下ろす“からっ風”は、群馬県の気候の特徴の1つで、そこからのネーミングです。
現在、同会の会員数は約50名。大きな組織のように大々的な催しはできなくても、小さな会ならではのアットホームな雰囲気を大切にしているとのことです。
主な活動は、年1回の総会、年2回の学習会や親睦会、他の患者会との交流会、機関誌「からっ風通信」の発行です。こうした定期的な会合以外にも、本音で話せる患者さんだけの親睦会、女子だけの懇親会を開催したこともあり、県外からの参加も増えています。

しかし、この2 ~ 3 年は、総会や学習会などをコロナ禍で中止せざるを得ませんでした。その分、オンライン学習会や「からっ風通信」を充実させるよう努力してきたそうです。
たとえばオンライン学習会では、専門医に講演していただくだけでなく、『乾癬なんでもQ&A』というコーナーを設けました。会員の方々からSNS やチャットで送られてきた質問について、先生方に答えていただくもので、リアルで的確な回答だと好評です。リモートで参加できない方のために、活字に起こして機関誌でも紹介しています。
学習会の後は、交流会として、参加者全員にリモートでのフリートークを楽しんでもらいます。参加者に感想を尋ねたところ、最も多かったのは、“久しぶりに会えて嬉しかった”でした。「顔を見せて会話することの大切さを痛感させられました」(角田さん)

「ピアカウンセリング」で
打ち明けにくい悩みを受け止める

2021年にスタートした「乾癬ピアカウンセリング」は、同会独自の活動といえます。乾癬の患者さんには、「現在の治療でいいのか不安」、「傷つくことを言われた」など、さまざまな悩みや心配事があります。しかし、家族や職場の人にも言いづらく誰に相談すればいいのかもわからないということは少なくありません。“ピア”とは、仲間、同輩、対等者という意味で、同じような環境や立場にいる者同士が、そうした不安などを気軽に話し合うことで心身の安定を図ろうという活動が『ピアカウンセリング』です。
同会のピアカウンセリングは、1回45分、乾癬の患者さんやご家族の方であれば、何度でも全国どこからでも利用可能。メールまたは電話で申し込みます(図参照)。
角田さんは、同会を立ち上げた後、一時期福岡に住んでいました。その時、福岡県難病相談支援センター主催の「ピア・サポーター養成講座」を受講。さらに神戸メンタルサービスカウンセラー養成コースでもカウンセリングを学び、ボランティアカウンセラーとして活動していた経歴の持ち主です。

「カウンセリングを希望された方々は、最初は遠慮するような話し方をしていても、そのうち堰を切ったように話し始めて、45 分では足りなくなります。心にたまった不安、悲しみ、寂しさ、つらさを誰かに話を聞いてもらうことで、気持ちの整理がついたり、希望を見出したりできるようです」。
直接、人と会うことに不安感を覚える人もいます。そういう人にはLINEやチャットのほうが参加しやすいという傾向もあります。「このカウンセリングの存在をSNS で知って申し込まれる方が多いのも事実です。今後は、そうしたニーズを持つ人たちのサポートも充実させていく必要があると思っています」(角田さん)。

対面でも、オンラインやメールでも
参加者の思いを大切にして接したい

2022 年12 月11 日には、高崎市の会場で、久しぶりに対面形式の学習懇親会を開催しました。新型コロナウイルス感染症の流行状況に左右されはするものの、新年度の活動はできるだけオンラインではなく、対面型の催しにしたいと考えているそうです。
「オンラインは便利ですが、大事なのは、誰もが“ここに来たらホッとする場”を作ること。会って誰かの話を聞くのはもちろん、話して自分の思いを言葉にすることが、患者さんの心を解き放つと思っているからです。
つながりを大切にする場があったからこそ、私は助けられたことがたくさんありましたし、今も助けられているので、この患者会は“聞くこと”“話すこと”をメインにした活動にしていきたいと思っています」。

SNS などのオンラインの利用もできるようにしていますが、その場合も大事にしているのは参加者の思いです。「たとえば、問い合わせのメールをいただくことがありますが、苦手な人にとっては短いメールを書くだけでも大変な作業だと思うんです。“送信”をクリックするのも勇気が必要だったかもしれません。どんな思いで書いて送ってきてくれたのだろうと思うと、どんなに忙しくても3 日位のうちにはメールの返信をするよう心がけています」。
「群馬乾癬友の会」を通してたくさんの医師、たくさんの患者さんやそのご家族と出会い、さまざまな経験をしてきた角田さん。
「最近、強く思うのは、学習会などで正しい情報や知識を得ることも大切ですが、自分にとって本当に必要な情報は何なのか、知り得た知識をどう活かせばいいのか、それは患者さん一人ひとり違うということです。はっきり言えることは、学習会の後の懇親会が本当に役立つということ。『さっきの先生の話は○○ということなの? △△のときも同じように考えればいいの?』など、患者さん同士で話し合っているうちに、自分がわかっていない部分が明確になり、理解が深まるのです」。
「私たちは患者会というよりも、年代・性別を超えた友達の集まりという感じです。ぜひ気軽に顔を出していただければと思います」。

「Rebrand Yourself 2023 Vol.1」2023年 2月掲載

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