行動することが大切| 乾癬物語【明日の乾癬 by UCBCares】
みんなの乾癬物語
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CHAPTER 02
発病した当時はインターネットがまだ普及していなかったこともあり、自分で病気について調べようという発想は全くありませんでした。情報源といえば、仲のよい友人が「こんな病院がいいらしいぞ」と勧めてくれることぐらいです。先生に「一生、治らない」と言われれば、「そうか、治らないのか」と思い、疑いもしませんでした。現在はインターネットが普及しており、様々な情報を簡単に手に入れることができます。製薬会社のサイトなど信頼できるサイトから病気のことや治療のことを調べて、症状が進んでいない早い段階から治療に取り組んでいただきたいと思っています。治療自体ももちろんそうですが、調べるという行為は「少しでも良くなりたい」という思いのあらわれだと思います。その思いだけでも、身体にプラスにはたらくと思います。戦う姿勢は大事です。ただ、無理に頑張る必要はなく、趣味を楽しんだり、好きな人とゆっくり過ごしたりするのもいいのではないでしょうか。戦うのが大事だとか言いつつも、やはり人生楽しんで過ごしたいですよね。
先生に紹介されて行ってみた乾癬の患者会では、想像を超えて勇気づけられました。今まで、世の中に私の他にも乾癬の患者さんがいるとわかってはいても実感できませんでしたから、同じような悩みを抱えている方がたくさんいること、そして、とても前向きに治療を続けていることには驚きました。私ほど重症な方はあまりいませんが、「自分もこんなことをしている場合じゃない。一生懸命治療しよう」という気持ちになれたのには、患者会の影響も大きかったと思います。
今となっては記憶にないのですが、先生にはじめて患者会を勧められたとき、私は「そんなところへは行きたくない」と言ったそうです。胡散臭いイメージがあったのでしょう。ところが、想像に反して、患者会は患者同士が傷を舐め合うような場所ではなく、自分が前に進むことを考える場所だったのです。
また、患者会は公的な活動もしていることを知りました。ある時、全国各地にある患者会が協力して、生物学的製剤の早期承認の嘆願を行いました。私も、東京まで嘆願書を提出しに行きました。これが行政を動かして、その製剤が承認されたのですから、すごいことですね。病気があるからこそ、他の困っている患者さんの役に立てたのです。
そして、通院している病院で、私はその生物学的製剤の第1号の投与患者になりました。この時も、先生が治験の結果や副作用について丁寧に説明してくださったので、不安は特に感じませんでした。
悩みがあるならば、抱え込まずに病院を受診していただきたいと思います。私はモチベーションが保てなくなったことで、行動できなかった時期がありました。今では、行動することがなにより大切であると感じています。
ただし、人間というものは、成功したときのイメージがわかないと、何事も行動に移しにくいのだと思います。今では気軽にインターネットなどから情報を得られますが、知識としてイメージするだけではなく、自分もこうなれると思える実例を患者会などで目にすることができると、治療のモチベーションにつながるのではないでしょうか。とにかく、悩んでいる時間があったら患者会で他の乾癬患者さんと触れ合うことをお勧めします。
最後に、何があっても諦めないで下さい。ちっとも良くならない、周りの視線がキツイなど色々と投げやりになる要素はあります。しかし、私の経験上諦めると病魔は一気に身体を蝕みます。独りで頑張る必要はありません。家族や友人に助けを求めましょう。患者会も助けになるかもしれません。
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