ようこそ!患者会 ふくおか乾癬友の会(空の会)| 支援制度とサポート 【明日の乾癬 by UCBCares】

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ふくおか乾癬友の会(空の会)

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現在、日本全国に24の乾癬患者会があり(2022年1月現在)、それぞれ独自に、乾癬に対する正しい知識、患者同士の交流・情報交換、専門医を講師とする勉強会、会報やSNSによる情報発信などを行っています。今回は、その1つである「ふくおか乾癬友の会(空の会)」の会長を務める田中政博さんにお話をお伺いしました。

(2022年7月現在、会長は福田亮一郎さん。2021年11月4日取材)

「乾癬は治らない」と思っている人たちに患者会を通して
希望を持ってもらいたい

2011 年3 月26 日、久留米大学医学部皮膚科の教授や同医局の協力を仰ぎ、また、全国の乾癬患者会より支援・激励を受けて、全国で16 番目、九州では大分県に次いで2 番目の乾癬患者会として、「ふくおか乾癬友の会」が発足しました。
発足以来、会長を務めているのが田中政博さんです。田中さんは長年にわたり尋常性乾癬の治療を続けていましたが、2010 年、乾癬の治療薬として初めて生物学的製剤が承認された頃の治験に参加していました。そして、その時の主治医の先生から、患者会を発足したいという話を持ちかけられます。「最初は断っていたのですが、結局、先生の情熱に押されて」と、田中さんは当時を振り返ります。
「私の場合、治験で投与された薬剤がよく効いたのですが、当時は“乾癬は一生このような状態のまま良くならない”と思っている患者さんが大勢いました。患者会を通して、閉塞的な気持ちになっている患者さんたちに“乾癬は良くなる”という希望を伝えることができるのならと思い、主治医の先生からの要望を承諾したのが2010 年12 月頃でした。4 ヵ月の準備期間を経て発足が決まったのですが、直前に東日本大震災が起こり(2011 年3 月11日)、かなり悩んだ末に発足会を開催したことを思い出します」。
発足式には、患者さんおよびご家族も含めて約35 名が参加しました。この人数の多さが示す反響の大きさには、事務局も驚いたそうです。

年に2 回の学習懇談会と
会報誌の発行が活動の柱

空の会の主な活動内容は、学習懇談会の開催(春と秋の年2 回)、『ふくおか乾癬友の会 空の会会報誌』の発行(年2 回)、全国の患者会との連携による学習会や視察の参加などです。学習懇談会は、1回あたり2 時間~2 時間半。基本的な構成は、医療講演40 ~ 50 分、患者さんの体験談の講演30 分、そして質疑応答です。専門医に直接疑問をぶつけることができる質疑応答が、一番盛り上がります。残った時間は患者さん同士での情報交換の時間となります。

「春と秋に学習懇談会を開催し、会が終わったら会報を制作して発行するのが、1年間の活動の基本的なサイクルです。しかし、2020 年と2021 年は新型コロナウイルス感染症の流行のせいで、会員が集まる催しを開催することができなくなり、そのぶん会報の発行を増やしました」(田中さん)。会報誌には、年間の活動予定・活動報告、学習懇談会の内容の要約、新しい薬や治験などに関する医師の寄稿、乾癬に役立つ美容医療についてなど、乾癬とともに生活していく上で役立つ様々な情報が掲載されています。毎号の内容を決め、原稿を書くのも、編集するのも、全て田中さん。2015 年からの会の愛称「空の会」を提案したのも、田中さんです。
愛称をつけたのには理由がありました。「実は、発足してからずっと、会報を郵送する封筒に“ふくおか乾癬友の会”というゴム印を押していたのですが、3 年ぐらい経った頃に、ある患者さんから“乾癬であることを家族にも内緒にしていた。郵便配達員の人にも乾癬だと知られて恥ずかしかった。これからは郵便物に乾癬という文字を使わないで”という切実な訴えがあったんです。いろいろと検討した結果、乾癬の英語“Psoriasis(ソライアシス)”のソラと青空を重ねて、“空の会”にしました」。

情報を単に伝えるだけでなく
「正確な情報」を
「しっかり」伝えたい

近年、SNS をはじめとして、様々な立場からのインターネットによる情報が急激に増えています。そのような中で田中さんは、「年々、患者会が果たす役割は大きくなっていると感じます。乾癬について、専門医と直接会話を交わすことができるのは、ほとんど患者会しかありません」と断言します。
「新しい薬が出ていることを知らなかった」「症状が悪化してもどうすればいいのかわからなかった」「民間療法に惑わされない情報の取り方が知りたかった」など、会員からはいろいろな声が届きます。こうした知識や治療にかかわる実践的な情報は、人と人とのコミュニケーションがうまくできていなければ正しい情報として伝わらない、というのが田中さんの考えです。
「患者会は会費をいただいて、相談医の先生方とも相談しながら、多くの方に役立つであろう情報をお伝えしていく会です。事務局から単に情報を伝えるだけでなく、しっかり伝わらなければ意味がない。そう意識しながら、やれることを確実にやっていこうと思っています」

オンライン学習会を開始したが
対面で話ができる会が楽しみな会員は多い

コロナ禍を受け、空の会は2021 年の6 月に初めてオンライン学習会を開催しました。内容は、会の相談医でもある日野皮フ科医院院長の日野亮介先生による医療講演と質疑応答です。質疑応答では、「新型コロナワクチンの接種は、乾癬患者に問題ないでしょうか?」「血管や内臓には乾癬は起きないのでしょうか?」「乾癬患者が関節炎を併発する時の前兆・兆候には、どのようなものがあるのでしょうか?」など、乾癬と真剣に向き合っている患者さんならではの質問が出されました。

オンライン学習会の是非について会員の方々にアンケート調査をしてみたところ、8 割の方は「賛成」との回答でしたが、オンラインで実際にアクセスしてきた方の数は3 割程度でした。「おそらく、フェイス・トゥ・フェイスで話すことを楽しみにしていた方が多くて、オンラインではつまらないんだと思います」と田中さんは推測しています。
また、オンライン学習会に参加したくても参加できなかった方々もいることを田中さんは気にかけています。「そういう方々をどうフォローしていくのかは大きな課題です」。2021 年8 月に発行した会報には、オンライン学習会で行われた質疑応答の一部を掲載し、新しい企画を盛り込むなど、内容の充実化を図りました。
「2021 年12 月に学習懇談会を開きたかったのですが叶わなかったので、2022 年1 月にオンライン学習会を開きます。また発足から10 年になりましたので、先生方に寄稿していただき、節目となるような会報を出したいとも考えています」。

会員の方々からの
「ありがとう」
という言葉に支えられて

乾癬の治療は長期にわたることが多く、治療や療養生活、経済的な問題などに関する悩みや不安を抱く患者さんが少なくありません。そうしたほうが、孤独感を強めたり、治療意欲を失ったりすることもあるでしょう。だからこそ、同じ病気を持ち、同じ目標を持つ患者同士が本音で話し合うことのできる場として、患者会の存在価値があるといわれます。
田中さんも、「患者さん同士の交流の場として患者会を利用してほしい」と話します。ただし、「患者会の意義を決めるのは会員の皆さんだと思っています」とのことです。
「会員の方々に様々な情報をお届けし、その情報がお役に立ち、皆さんから“ありがとう”と思っていただけること。それが私にとって一番大切です」と、田中さんは活動を続ける理由を熱く語りました。

「Rebrand Yourself vol.2」2022年7月掲載

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