季節と乾癬<冬>|乾癬基本知識コラム|みんなの乾癬物語【明日の乾癬 by UCBCares】

乾癬基本知識コラム

季節と乾癬<冬>

1月

自分の状態を数字でみてみよう!

乾癬の治療方針を決定するうえで、重症度や患者さんのQOL(Quality Of Life:生活の質)の評価は大切です1)。皮膚症状の重症度を自己評価するself(セルフ)-PASI(パシ)や皮膚疾患のQOLを評価するDLQI(ディ・エル・キュ-・アイ)、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の悪化や早期発見を目的としたPASE(ペース)などさまざまな乾癬スコアが使用されています2)。症状を数字でみることは、病状を客観的に評価することができ、治療の経過を確認しやすくしてくれます。ご自分の状態を把握するためにも定期的に行うようにしましょう。

1)大久保ゆかり ほか.日皮会誌. 2007;(117)14: 2495-2505.

2)福地修,中川秀己. 診る・わかる・治す 皮膚科臨床アセット10 ここまでわかった乾癬の病態と治療. 2016; 64-70

1月

乾燥予防でできること

乾癬の症状を悪化させる原因のひとつに、肌の乾燥が挙げられます。一般的に、夏よりも冬に肌の状態が悪くなる患者さんが多いといわれています。暖房の効いている室内では加湿器を利用して、肌から水分が蒸発するのを少しでも予防しましょう。また、特に気をつけたいのは入浴の後です。濡れた肌は、水分が失われやすい状態になっているため、保湿剤などを使用し、しっかりと保湿しましょう。保湿剤は、ドラッグストアのほかオンラインショップでも、手頃な値段で買うことができます。香りや質感は、さまざまです。好みのものを探してみましょう。

2月

皮膚にやさしい入浴方法を知ろう

「入浴する」ということは、皮膚を清潔にするほか、体の緊張をほぐす、気持ちを穏やかにする、肌を保湿するなどの効果が期待できます。入浴方法には、いくつかポイントがあります。体を洗うときは、肌をこすらないように気をつけて、石けんをよく泡立ててやさしく手で洗い、泡はシャワーでしっかりと洗い流します。体が温まると、かゆみが生じやすくなるため、湯舟に入るときはお湯の温度を40~41℃程度にし、長く浸からないようにしましょう。入浴後はやわらかいタオルで水分を拭い、しっかりと保湿してください。

イメージ図

2月

乾癬は治る? 遺伝する?

乾癬は、治りにくい病気ではありますが、症状のない状態(寛解)を長期間維持することができると考えられています。
遺伝性については、日本においては4.4%1)の頻度で遺伝による乾癬の発症が報告されています。ただし、乾癬になりやすい体質が遺伝することはあっても、必ず発症するわけではないと考えられています。

1)Kawada A et al. J Dermatol Sci 2003;31: 59-64.

3月

乾癬の治療中に妊娠・出産はできるの?

乾癬であっても、妊娠・出産をされている方はいらっしゃいます。
一般的に尋常性乾癬は、妊娠中に軽快し、出産後に悪化することが多いとされています。妊娠中の乾癬の治療は、母体や胎児に対して安全性が十分に確立していないものもあるため、治療の効果とリスクについて主治医とよく話し合ったうえで治療を進めていく必要があります。薬剤によっては継続が難しいものもあるため、主治医とよく相談するようにしましょう。

妊娠中の薬剤の使用について詳しく知りたい場合には、相談できる専門機関「国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター」のwebサイトをご覧ください。

関連リンク:妊娠と薬情報センター

3月

寒いときにホッとできる温泉 皮膚への影響は?

冬は、温泉が恋しくなる季節です。寒さで冷えきった体が温まりますし、気持ちもほぐれます。泉質に気をつけさえすれば、温泉に入っても問題はありません。油分を多めに含んだ泉質や炭酸水素泉などで症状がかるくなった、という例もあります。逆に硫黄泉、塩分(NaCl)の高い泉質は、皮膚の乾燥やかゆみを生じることがあるので避けましょう。客室に専用の浴室が備わっている温泉なら、肌を人の目にさらしたくない方も、安心して入浴することができます。乾癬に理解のある温泉施設もあります。

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