HS疾患啓発イベント 話すことからはじめる肌サイン

イベントレポート

HS(化膿性汗腺炎)
啓発イベント
「話すことからはじめる、肌サイン」開催レポート

開催日:2025年6月3日 /
開催場所:東京ミッドタウン日比谷

6月3日(火)東京ミッドタウン日比谷にて「HS(化膿性汗腺炎)」を知る公開イベント「話すことからはじめる、肌サイン」を開催しました。
HS(化膿性汗腺炎)は、わきの下やお尻、太ももの付け根、関節部などに発生しやすく、皮膚の痛みや腫れ、炎症を伴う慢性の皮膚疾患です。進行すると激しい痛みを引き起こし、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
早期の受診と適切な治療が重要であるとされる一方で、認知度が低く、確定診断までに平均7年ほどを要する*のが現状です。
こうした背景を受け、HS(化膿性汗腺炎)という疾患をより多くの方に知っていただくことを目的に、「HS疾患啓発週間」である6月第1週に、疾患啓発イベント「話すことからはじめる、肌サイン」を開催しました。
イベントには、山口さやか先生(琉球大学大学院 医学研究科 皮膚科学講座・講師)、岩間恵さん(タレント・モデル)、バービーさん(お笑い芸人)の3名が登壇。

岩間恵さんとバービーさんは日々のライフスタイルやスキンケアの秘訣、過去の肌悩みに関する体験談を共有し、肌と向き合うことの大切さについて語りました。
山口さやか先生からは、HS(化膿性汗腺炎)の症状や治療法についての解説とともに、肌に異変を感じた際には、皮膚科を受診することの大切さをお話いただきました。
イベント会場には多くの観覧者やメディアが集まり、HS(化膿性汗腺炎)を知るきっかけとなる啓発の場となりました。

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トークイベントレポート

疑わしい症状があれば
ぜひ皮膚科に来てほしい

山口さやか先生

「患者さんの多くはHSという病名を知りません。病名を伝えても初めて聞いたという方がほとんどです」と山口先生。HSの現状や、HSのセルフチェック項目も紹介しながら、初めて知る方にもわかりやすくHSを詳しく解説しました。

山口先生:「症状が悪化すると、痛みや悪臭を伴う膿のせいで、社会生活に影響が及ぶことや、気分が落ち込むなどの精神面の影響で社会的に孤立してしまうこともあります。そのため早期に適切な治療を行うことがとても大切です。」

「HSはデリケートな場所にできやすい病気でもあるので、まずはこういった病気があることを皆さんに知っていただきたい。疑わしい症状があればぜひ、早めに皮膚科を受診してほしいですし、もし身近にHSの方がいらっしゃれば、こういう病気があることを理解していただけたら」と呼びかけました。

一人で抱え込まずに
家族や皮膚科の先生に相談することが大切

岩間恵さん

学生時代に肌荒れに悩んだ経験があり、現在も繰り返しニキビが出やすいことが気になっているという岩間さん。
これまでにも皮膚科の受診経験があるものの、日頃「こんなことで皮膚科に行っていいのだろうか」と皮膚科に行くタイミングに悩むことがあると話しました。
山口さやか先生からは「様子を見ていても良くならない、生活に困るなど、心配なことがある時は皮膚科に相談してほしい」とアドバイスを受けました。

岩間恵さん:「今まで知らなかった病気を知ることができて良かった。何かあったら一人で抱え込まずに、皮膚科の先生に相談することが大切だと思いました」

一人で悩むよりも専門家のところへ

バービーさん

バービーさんの日頃の肌管理において大切にされているポイントは「原因を突き詰める」ことだとお話されました。
思春期の頃から長年悩まされてきたニキビについて、「皮膚科に通い始めて、原因をきちんと教えてくれる先生に出会ってから、自分の肌のことを知ることができて目から鱗だった」とご自身の体験を紹介。
専門家に相談する大切さを、体験談を交えながら語りました。

ニキビとの違いやHSの特長についても、山口先生に積極的に質問し、「知らなかったことを先生から教えてもらって、やっぱり専門家のお話を聞くべきだと思いました」とコメント。
肌悩みを持つ方に向けて、「行ってみたら意外とすぐに解決することもあるから、一人で悩むよりも専門家のところに行って話してみて」とメッセージを送りました。

監修|
日本大学医学部 皮膚科学系 皮膚科学分野
主任教授 藤田英樹 先生

気になることがあったら皮膚科に相談しましょう。